無重力/小鳥
 
私が訪ねると、

火星の蛸は海底へ旅立った後だった。


無重力の自由な不自由も、

遠く君と蛸の住む星も、

私をぽつんとさせた。


帰ろうよ、と

耳元できこえたけど、

あれは誰の声だったのだろう。

戻る   Point(5)