去年の恋/nick
 
自由なあなたに飛びつきたくて
あの樹のように大空へ手を伸ばした
足がふわっと軽くなり風に乗れたけれど
走れなくなったわたしはあなたを怨んだ


あなたの耳は私のほうをむいていない
わたしが叫ばない限りきこえない
ふいに近づいたような気がしたけれど
わたしにしかわからないみたい


もう戻れないところまできた
あなたを殺してしまった
泪が流れないのが悔しくて
わたしはわたしの目をえぐった


終わるととても楽になった
あなたの明日はもう関係ない
きっと何かがおかしくなっているけれど
わたしにはわからないみたい
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