ヌーヴェル・ヴァーグという美学 ; 批評“そのもの”として/葉月二兎
 
:読者〕という一組のカップル――それも、互いに“はなればなれ<Bande ? part>”の――に向かって、一分間の沈黙を強いるかのようでさえある。

 だが、やがてそのうちの一人が沈黙を破る。沈黙の中に彼が浸入する。「まるで永遠のようだ」という声と共に……それは彼らをそのシークエンスから“引き離し;separate”、それ(彼らの[沈黙]という状況)に「永遠のようである」という“評価;judge”を与える。また、彼の声の侵入とは「沈黙を破る」という彼自身の“決断;decide”に他ならない。

 つまり「批評する」とは『沈黙を破ること』、それも、『彼自身の声をもって、その空間に振動を加え
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