淋しい天体/天野茂典
 
  



  紙飛行機が飛んで行く


  夜空の方へ


  よたよたしながら


  なにも食べていないかのように


  『夜鷹の星』*をしたいながら


  真っ白になって
  

  なにも食べないで


  少量のエナジーで


  『夜鷹の星』を目指して懸命に


  飛んで行く


  食べることは殺生なのだった


  夜鷹はそれで星になったのだった


  紙飛行機は未来のスペースシャトル


  になるだろう いまはよたよた飛んで行く


  夜鷹にもすばらしい食材を準備して



                     *宮沢賢治の童話
                     2004・11・09
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