cloudy/あおば
110511
金曜日に助けたから
フライデーと名づけられた青年は
ロビンソン・クルーソーの従僕となり
しばらくは一緒に暮らしたという
絵に描いたような仕合わせは無理だから
お天道様に少しだけ逆らって
日の当たらない山陰の道を辿ると
少しの光でも良く育つ隠花植物が繁茂して
我が世の春を謳歌しているようにも見える
汗が引くまでひと休みと
ふんわりとした羊歯の葉の上に腰を下ろし
見渡すと頭上には白い雲が流れてゆく
悠久の時に従ってぼんやりとしたくなるが
午後には雨が降りだしそうだ
車の屋根に乾してある西洋タンポポの根が気がかりだ
乾して
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