Golden Egg /服部 剛
今朝のブレックファーストで
身籠った妻は、忙(せわ)しい最中(さなか)に
かしゅっと一つの卵を割って
暖かいベーコンエッグを
僕の部屋まで、運んでくれた
Golden Egg
それはありふれた朝の幸福な食卓
それはこれから青空に轟(とどろ)く幼児の産声
児よ吾児よ、君がいずれ味わうだろう
歓びも哀しみも一つのフライパンに乗せて
じゅわっと焼いてしまえばいい
これから何処まで歩いてゆこう・・・
頬杖ついて「考える人」になる
朝の食後のひと時
Golden Egg
たった一つの輝ける卵を探して僕は
今日・ここから、旅を始める
戻る 編 削 Point(3)