Golden Egg /服部 剛
 
今朝のブレックファーストで 
身籠った妻は、忙(せわ)しい最中(さなか)に 
かしゅっと一つの卵を割って 
暖かいベーコンエッグを 
僕の部屋まで、運んでくれた 

Golden Egg 

それはありふれた朝の幸福な食卓 
それはこれから青空に轟(とどろ)く幼児の産声 

児よ吾児よ、君がいずれ味わうだろう 
歓びも哀しみも一つのフライパンに乗せて 
じゅわっと焼いてしまえばいい 

これから何処まで歩いてゆこう・・・ 
頬杖ついて「考える人」になる 
朝の食後のひと時 

Golden Egg 

たった一つの輝ける卵を探して僕は 
今日・ここから、旅を始める 







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