ロックンロールというやつは/只野亜峰
 
ロックンロールというやつはカルピスの原液に似ている

忌野清志郎がストレートに六甲のおいしい水で割った王道であるならば
甲本ヒロトは三ツ矢サイダーで割ったような清涼感がある

チバユウスケがジンで割ったものだとすれば
ベンジーはなみなみ注いだ原液にシロップを二、三滴垂らしたような感じかもしれない

向井秀徳は烏龍茶のような苦味があるし神聖かまってちゃんからは血の味がする
それが万人にとっておいしいものであるかどうかは知らない

峯田和伸は「これは象のおしっこだよ」と言いながらオレンジジュースを注ぐし
石野卓球は「これはチョコレートだよ」と言いながら犬のうんこを放り込む

何をどれぐらいの割合で混ぜ込んでいくかは人それぞれで
だからロックンロールは面白い
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