夜明けの詩/1486 106
 
夜明けの詩を歌いたいと思った
歌わなければいけないと思った

誰かがそれを必要としている
必要としていると思ったから

だけど僕は本当の夜を知らない
本物の暗闇を見たことがない

想像したところで何も生まれないし
何かを生み出そうとも思わない

悲しくないのに泣いたところで
誰かの心が救われるだろうか
不幸を共有しようとしたって
悲しい人が一人増えるだけだから



夜明けの詩は作れないと思った
作ろうとするのは違うと思った

僕が知っているのはいつも通りの空
何が変わったかなんて分からない


楽しいことをして笑いたいんだ
生きている自分に正直でありたい
僕の気持ちは僕のだけのもの
だから僕は好きな歌を歌う



夜明けの詩を歌いたいと思っていた
だけどもうそんなもの必要ない

僕が歌うのは朝の詩だ
昨日と変わらない朝の詩だ
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