五十日目の日記/縞田みやぎ
 
ら。」という気持ち。マグニチュードは9に訂正された。ラジオは「津波は何回も来ます。2回目3回目の方が大きい場合もあります。」と繰り返すが,なんとなく我々には「もう終わったのだ。」という気持ちがあった。女川,東松島,気仙沼,牡鹿,雄勝,市内沿岸部に自宅や実家がある同僚を囲む輪があちこちにできる。真っ青な顔。「きっと大丈夫だから。」と背中を撫でさする。
 防災担当の同僚が施設内を見回り,被害報告をする。大きな破損箇所は無いとのこと。
 雨が雪になり始めた。地震発生から30分が経過していた。施設長始め,幹部たちが集まって対策を討議している。普段であれば一斉送信メールなども使って子供らや不在職員の安否
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