橋は、スイッチである/石川敬大
埠頭から埠頭へとコンクリートと鋼鉄の道を手わたす
橋の下で
アキ缶を叩きつぶしながら
男たちがラアラア話をしていた
母音/子音
混ぜあわせたコトバが
まったく意味がわからない
コトバをぼくは、聴くともなしに聴いていた
隔たった耳の羽音を凍りつかせて
すこし荒々しい口調の
でも、尖っているわけではない感情が
夏のアイスみたく蕩けている、わけないが…
巨大なクレーンが三機
船尾から蜘蛛の糸ひくタンカーが寝そべって接岸している
港湾施設が
ここからはよくみえた
どす黒い海面にたくさんの漂流物が浮遊しているのも
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