断片/窓月
実る命が
誇る事を
知らぬ 貴方に
冬の日の
安らぎを
豊に散り
豊に眠る
慈しみを
知らぬ 貴方に
何が分かる
何が
分かると言うのだ
飽きもせず 与えられる事しか出来ないのに
ウィーン
「いらっしゃいませー!」
「おう、煙草くれや。」
「えぇと、銘柄は何になさいますか?」
「・・・ショッポに決まっとろうが!客の顔忘れたんかい!?」
「どうもスミマセン、220円になります。」
「ッッ!メンソールじゃ!!」
「大変申し訳ございませんでした。」
「・・・。」
何が分かるのだろうか
私と彼は
そう嘯き
塗り潰す
黒く狭い
私の帰路
小さな野草が
私と共に笑う
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