脳と言わせろ。/菊池ナントカ
 

二人の母親が私の心を袈裟懸けでバッサリ斬ったあと、
台所でソレを千切りにしている。

何事も無かったかのように食卓に私の心は、
キャベツの千切り代わりに並べられ、
心を失った私は何も思わず、悲しみも出来ず座って、座って、座って、座って、座って、座って、座って、座って、座って、座って、座って、座って、座って、座って、座って、座って、座って、座って、座って、座っているしかない。

脳の方は健在です。
私はUボートの事を考える。

太陽に焼き殺された少年と少女とハイエナ。
晩餐パーティーの準備はOK?
Uボート出航の準備はOK?
腸詰めは腐食。


明日は脳の番だ。
脳が味噌汁に入れられる。
溶かされ、具にされ、食べられる。
脳で考える。
せめて脳に毒を仕込んでおこう。
まともに歩かない私を多分、変には思わないだろう。

NOと言わせろ。
NOと言わせろ。
NOと言わせろ。

Uボート、Uボート、Uボート、Uボート、Uボート。
格好良いなぁ。


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