初夏/山中 烏流
 

例えの一つ
それは「きみの手が背中に触れる」こと

二つ
「葉桜の下で覚める、今年のつつじの鮮やかさ」のこと

三つ
「平穏の走る音」のこと


雨宿りをしたくなる季節に
置き去りの傘を思い馳せて、

今日からのフィクションをきみに



語る





[グループ]
戻る   Point(2)