悔/りり
 
リズムに合わせて
カタカタかたかた
揺れる車体と椅子

ただ外を眺めれば
世界と切り離され
時の狭間で傍観者

かたかたカタカタ
バスは走り続ける
星に辿り着くまで

目を凝らし見れば
硝子の自分の頬に
冷えた雫が輝いた

最後尾の窓枠から
振り返ろうとして
カーテンに遮られ

カタカタかたかた
停車所がないまま
ただ私は咽び泣く
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