【ゆるやかなカーブ】/つむじまがり
近づいてくるあなた 遠ざかるあなた
死んだ犬 ガードレールの枯れた花
停電の夜はあんなにも優しかった心は
春の日差しに照らし出されることを避け
中央分離帯の薄汚いビニールの陰に隠れてしまった
ゆるやかなカーブに桜の花が 散る 散る 舞う
散りゆく花は 美しく立ちはだかる春の壁
目障りな艶色の花びらをそっと踏む
何も思わない 何も
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もうやめようか、ゆるやかなカーブという題の詩を
書いてみたかっただけなのだ ほんの悪戯だったのだ
池に石を投げ込んだら波紋が広がるように
詩が僕の中で広がるのか試したかっただけなのだ
でもせっかくだからおしまいまで書ききってしまおうか。
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ゆるやかに平行線をたどる二人の前には壁がある
それは春の壁ではなく
いや よしておこう
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