銃声 / ****'04/小野 一縷
 


君は赤く濡れた月光草
シスターが珍しがって また一人 
君を摘んだことを 秘密にしてあげた
懺悔の裏にある甘い性癖が 
クロイスターの影に 隠れているから

その影を刺して 優しくこだまする鐘の音
そして重い黒檀の棺が 閉じられる

彼女の瞼の中の流星が 二つ
彼女の胸の中の恒星が 一つ 消えた

星たちの運びが 一族の滅亡を記した とある夜









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