売名上等/白糸雅樹
あんたはこういう存在だね」というレスポンスなしに、生き延びることは可能だろうか。
少なくとも、私には無理だ。
もしかしたら、誰にも存在を主張することなく、ただ、淡々と生きていられる人もいるかもしれない。だが、私は、赤子が泣くように、「私を認めてくれ」と叫ばずにはいられない。私はそういう人種だ。
生き物が、人間も、植物や動物の命を断って、それをいただいて生きているように、表現者も、他者の存在や不幸をネタにして、踏みにじって生きている。それをエゴと呼びたければ呼ぶがよい。そのとおりだ。エゴだ。
エゴ上等。売名上等。
「がんばるな、ひとよ」の本文中にあるように、私
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