売名上等/白糸雅樹
 
 先日アップした、「がんばるな、ひとよ」への補足です。

 表現者が、パフォーマンスをする、文章を書く、絵を描く、そのような行為に、自己満足や自慰の要素がないことがあるだろうか。人を傷つける可能性なしに、表現、というものをすることができるのだろうか。

 少なくとも、私にはできない。

 人は、認められて、はじめて生きられる。「認められる」というのは、なにも「高く評価される」という意味ではない。ただ、「存在を認識される」という意味だ。存在を認識されない人間は、自分だけをたよりに存在を続けることができるだろうか。「私はここにいる。私はこういう存在だ」という主張なしに、他者の、「ああ、あん
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