藤ば見さ / ****年不明/小野 一縷
 

合浦の浜さ 藤ば見さ行ぐの好ぎだって
ばっちゃ わーさおがしば買ってけで
二人すてバスさ揺られで 行ったっきゃね

さぐらもてっぺな公園だっばって
そったどぎだば いづも人っこ ごだごだで 
わーは酔っ払いだの うるせしてやんだった

静がだベンチさ 二人すて 柔けぐ垂れでら藤の下
そふとくりむ食ったっきゃね
あんどぎ
髪もまだ黒がった
膝もまだじょんぶだった
耳もまだ達者だったっきゃね
二十年も たげだばむがしのごどだばって
今のばっちゃだば 
あだま真っ白だべし 膝いでべし 耳遠いべし

たげだば でっけ声で話さねば なんも聞けぇねえ
んだばって 

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