スキャット/榊 慧
 
一.七ミリのパスタを投入してぐつぐつ八分でアルデンテ、欠食児童だったんだヨネとトーが自慢げに言った。
「自慢げに言う事なのそれ」
「そのわりに料理とかできるしマトモだろ俺」
水切りしたヨーグルトに砂糖を入れて混ぜてそれを皮をとって切り分けたグレープフルーツにかける
俺さあ、お好み焼きって具、キャベツだけのもんだと思ってたからそうじゃないって知ったときびっくりしたね。母親、料理下手だし嫌いだし、俺がふつうのちゃんとしたお好み焼きでイカとか豚肉とか入れて作ったら妹がこれなんて料理、て。小麦粉とキャベツだけがふつうだったからさ、なんかもう、今はなんとも思ってないんだけど昔はもうちょっとコンプレックスだったかも、
「でもふつうにおいしいんだよ。俺はキャベツだけで満足かな」
「…トーのつくるお好み焼きはおいしかったよ。」




苛性ソーダって十八歳以上で身分証明書と印鑑が必要なんだよね。畜生買えない。「何で」「俺まだ十七」「…ああそう」






さくらんぼはいつ実るの
たぶんもう少し先。


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