素描/高梁サトル
スケッチ越しに美術室を見渡す
わたしは
わたしの目がどれくらい
セカイを正しく把握できているか知りたかった
ので、評価が必要でした
おそらくそれは何百枚目かのセカイ
イマジネーションは浮遊する
掴みとって引き摺り落として撫でれば消える
そんなもの、そんなもの、
(見たままを形にしてはいけないわ)
思春期まででした、そんな理屈、
どれをとっても似たような悲劇の
一員でありたい
ままの私が愛してあげる
うんと醜く
うんと美しく
わたしのスケッチブックでは何を描いても
(それで誰かが吐き気を催したって)
いいんだわ、思春期の純粋は
そのままでは生きて
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