睡夢 / ****'04/小野 一縷
ろだということ
「何も気にしないで いいよ」
だから きみは 安心して寝ていられる
終わりという始まりへ向けて 大気が流れる
その透明な薫りは 月輪のように澄んでいる
その純度は 限りなく正確に 時間の経過を切り刻む
届かない 回転するばかりの 旅先へ向かう路上だ ここは
目覚めを無くした昏睡のように
真実を黙秘する時刻が 延々と吹き抜ける
結局 いつも 何も 分からないまま
旅に 疲れたなら
今夜は もう おやすみ
詩集を閉じて あくびをして
ベッドに入れば お終いの物語
おやすみなさい
風が 吹いている
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