幕開けの詩 /服部 剛
 
遮断機の棒が塞いだ 
目の前を列車は瞬く間に走り抜け 
突風に泳ぐ前髪は、唄い出す 

焦(じ)らすように長い間道を塞ぐ 
赤ランプの音と邪(よこしま)な棒が上がる迄 

じっと身じろがず、踏む
アスファルトの地割れの土に深く根を張り 
地の下から蠢(うごめ)く力を胸の鼓動に貯えてから、  
僕は往こう。  


  かん・かん・かん・かん・かん 


全ての風の止む後に・・・

日常の物語という舞台の上で 
遮断機の向こう側を塞ぐ 
横縞の棒は、ゆっくり開く 







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