【命の木】/つむじまがり
 
命の木が 倒れた

あんなにも逞しく 揺るぎなく

大地に根を張っていたのに倒れた

おじいさんが死んだのは その次の日だった


人々が命の木の事も おじいさんの事も忘れてしまった頃

命の木から 一つのの小さな芽が 生まれた

赤児が産まれたのは その次の日だった


それから1000年

人が死に 人が生まれ 文明が生まれ 文明が死に

命の木は こんなにも逞しく 揺るぎなく

ここに生えている

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