slide away / ****'99〜'03/小野 一縷
面を 刃以上に研いでゆく
(太陽なんぞに瞬きするな 奴は出来の悪い 時計でしかない)
白銀と白金の境界線を 金属的な鋭利になって引いてゆく
その業には
もう血の気が無い 君の血は 透明な液と赤い液に 分離した
内部から きみを推し進めた要素は 塩辛い液として 黄ばんだ液として
きみの体外へと 霧散した
その 生臭い朝霧の中
末路無き旅路の 終りを ぼくは確信した
きみは ぼくに 手を振った
惰性で滑走しながら 窪んだ瞳孔で 微笑で
ぼくの横目を 慕いもせず 通過するきみは
もう ぬるい風と 波打った軌跡しか 残せない
しかし
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