enjoy the silence / ****'04/小野 一縷
 
無音 やがて そして



銀に回転する木霊を破壊する金の雷鳴
その雷鳴が回転して赤土色の轟鳴となる
その轟鳴が崩壊して土砂のように大地は捻れる

酷い眩暈が頭痛へと直結する
感覚神経を刺激して肉体が罌粟の煙へ求愛する


静寂から生まれる色の彩 その水性の変調律


静寂から泡のように涌いてくる響き
揺れ動く水面の月光
貝のように静かな湖面
そぞろ歩く人の影は仄か

静寂から滲んでくる脈音の余韻
月影にだけ生える苔の薄緑
故郷を無くした詩人が詠うロンデル
月下に繋いでいる蒼い馬が軽く嘶く

静寂から毀れ落ちる硬いエコーの破片
森に降る霧雨は鋭く
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