オールトの雲をぬけて/たま
 


じゃあ、元気でね
わたしの仕事はここまでだよ

神でもなく、仏でもない
それがわたしたちの友情なんだ


遠ざかるちいさな衛星の
かすかなパルスが
わたしの背をたたく
ふり向くなよ
そう言い聞かせて
ほんのすこし加速してみる


どこへ行こうか
どこでもない世界がいいわね

そんなとこあるのかなぁ
あると思う
まだ、星の生まれていないところ

おい、おい
そんなとこ死ぬかもしれないよ

一度だけなら恐くないわ

あなたとなら


空の果てはどこにあるのだろうか

いつものわたしをのせて
宇宙式の貨物船は
三千大世界の干潟に消えていく



やばいなぁ・・
















戻る   Point(16)