phenomena/mizunomadoka
 

物事には理由がない
セイレーン王は水柩から取り出す
私には理由がない
髪を乾かしながら水を飲む
物事はそんなに単純だろうか?
王と私は?
庭先に造花を植えている母は?

ずっと

対象のない優しさが好きで
自分にさえ届かない微弱な愛に
ふれられたらと思ってた

佇んでいるものに出会ったら
自分を消して

王は悲しみで
血塗りの剣を沈めて

母は咲くのが待ちきれないのよ、と笑う




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