コトバの有効性/プランタン
 
 バンクバンドの謡曲に『to U』というものがある。筑紫哲也氏が務めていた「ニュース23」のエンディング・テーマとして聴いてから、いまだにカー・ステレオで流している。
取り上げたのは、歌詞の一部(「眠れずにいるあなたに/言葉などただ虚しく」)が、気に掛かったためである。
Twitterで見かけた、被災者側の「がんばれと言わないでください。」の文章も、こうしたコードを通して納得した。例えば、何らかの言葉を投げかける度に、「反応しないといけない」と受け手を疲れさせてしまったり、マスコミで報じられる官僚の失言が、怒りを抱かせたり。今回の東北・関東大地震において、〈言葉の有効性〉というものを、否応なしに強く意識させられた。そして、置かれた環境下において、意味合いが異なることも実感した。
おそらく、これはいまだけに関わることではないのだろう。災害はなくならないし、紛争も止むことはない。だからこそ、いま起きていることを見つめて、たまには息抜きしつつ、先へ歩まなければ。
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