時間/
AB
犬がひたひたと
冷えた地面の上を歩く
その横を
静かに川が流れている
時折起こる波の先端が光を散らす
足下の土は湿っている
犬の一啼きは
川と共に流れどこかへといってしまう
わたしは無数のわたしを失って
海に沈む
そして桜がまた暦をめくる
しかし地面は未だ冷たい
戻る
編
削
Point
(1)