時間/AB
 
犬がひたひたと
冷えた地面の上を歩く
その横を
静かに川が流れている

時折起こる波の先端が光を散らす
足下の土は湿っている
犬の一啼きは
川と共に流れどこかへといってしまう

わたしは無数のわたしを失って
海に沈む
そして桜がまた暦をめくる
しかし地面は未だ冷たい


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