(意味解釈などせずに、私の悪夢に付き合うこと。)/多々田 駄陀
 
彼の背後はなかなか困難である。

もともと幸福な人の幻覚を離れて、
世界を睨んでいるのが神々の仕業だとしたら、
実感することのなかった日々の生を
ただ正確に自分で創造し続けていないといけない
という張りつめた先入観に
彼は悲しく従った。

左右にいた神が原因だと彼はいうのだった。

神との契約の終わる間際に
熟れた階段を振り返らずに数時間かけて上り、
視野の開けた広場にたどりつくと
そこには想像を絶する数の鬼たちが
かなりの疲弊を呈して熟睡していたのだった。

いみじくも斜に構えた六本木で
コカイン中毒の彼が ずれた眼球に潜入し、
そこで初めて見た
右半身不
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