麻葉童子/ ****'04/小野 一縷
 
本来 ぼくは 
日本一のガンジャポエトだった
前科を背負い込まず のうのうと生きてきた
それが最近では


 日々

−化学物質で肥えてゆく
 眼つきだけは痩せて尖る−


 昼

−花壇の手入れをする美容師の男
 自動販売機でジュースを買う鳶の男
 随分と綺麗に映った−


 夜

−煙草の吸い過ぎで眼がまた冴える
 涼しい夜
 熱い眼では眠れず
 結局詩などを書いてみる−


 詩

−暗い重さを背負った渓谷の夜
 風が冷たく素通りする無人街
 やがて吹いてくる灰色の雪

 荒廃 廃墟 放射能 誰もいられない場所
 それらが遠
[次のページ]
戻る   Point(4)