はずかしいこと/はるな
 
さとへ行くだろう。彼には、今はまだ行くべきでないということを理解する分別さえある。

わたしは逃げてしまったような気がしていたのだ。
責められたような気持ちになった。
恋人の家族と食事をした中華料理屋はもうないだろう。あのへん一体、高さが無くなってしまったと聞いた。つみかさなる瓦礫のうえを、強くてつめたい風が吹き荒れる。
わたしもそれを受けるべきだったのではないかと、後ろめたい心持がするのだ。なぜだかわからないけれど、強く思うのだ。
それを言えずに泣けば、恋人は抱き寄せてくれる。冗談も言ってくれる。わたしが塞いでいると、彼はお茶が飲みたいという。熱いコーヒーをいれて。砂糖もミルクもつけ
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