DESOLATION ROW(廃墟の街角)/……とある蛙
沖へ引き摺られ
血染めも何も綺麗なもので
腹の膨れた蛙もなく
ただ泥の絡み付いた廃材置き場
だんだらぼっちが躓いて
だんだらぼっちが吹いた息
だんだんらぼっちが震えてる
鋸の刃先にしがみついた日常が
ただ突然消え失せた。
そのあと真っ暗闇の無音の夜
まだ春にはほど遠い
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発電所付近の崖で遊んでいた
タケルはオトちゃんと離ればなれ
だんだらぼっちが邪魔をする
導火線に火がついて
モグラ叩きの爆発で
タケルはオトちゃんに会いたくて
そっと桜木植えたのだが
そのまま桜木は朽ち果てた
花咲く前に朽ち果てた
タケルはそれでも植え続けた
いつかオトちゃんに会いたくて
何度も何度も植え続けた
いつかオトちゃんに会えると信じて
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