『光よ届け』/座一
 

あっというまに すべてを 奪い去ってゆく 
自然の猛威に なすすべもないけれど


きみの笑顔が教えてくれる
今この瞬間が かけがえのないこと
きみが生きていてくれる
それがどれほど 尊いかということ


グリコの 電気が消えた
その光が わたしの胸にともった
ネットから贈る いくらかばかりのハナミズキ
「微力だ」と申し訳ないような顔にも
チリは積もれば山となり
いつか きみのまいた 小さな種が
春の訪れのように 咲き誇るだろう


天使たちがキャンドルを持って 飛び立ってゆく
混乱の中 さまよう人に 希望の光を
節電の祈り こちらの分まで
光よ 届け





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