ポエティックコラージュ 〜スロウモーション / ****'99/小野 一縷
 
象牙色の季節
その風景画の中を 汽笛を燻らして
蒸気機関車が きみの笑顔を揺らして
ほら 行くよ


音もなく上昇してくる太陽に
映画のエンド・テロップのような終わりを感じた朝


静かに揺れる海の輝きは
冷えた屋根の上を旋回する鳥の群


集合住宅にかかる雲は 稲穂のように斜めになびいて
遥か行こうと誘ってる


針金細工の枯れ木が その鋭さで低い風の
流れを細長く裂いていた


重厚にくすぶる氷山
吹き下ろす風は空からの地吹雪


真横へと 太陽が逃げてゆく
素早い雲を従えて今日が夕陽を追い駆ける


隙間なく濡れた硝子
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