夜と雨と/
プランタン
止まない雨がないように
明けない夜もないんだと
あなたは私に毛布をかぶせ
抱きしめてくれましたね。
詰まらない意地が、別れを濁し
涙すら流せなかった私の代わりに
あなたの娘は涙して
悲しみを語ってくれました
あれから数年が経ちましたが
死をいまさらのごとく意識して
その記憶を呼び覚ましました
祖母よ。
彼岸の前に、境の薄くなるさなかに
帰る場所を失う御霊は
いずこにかさまようのでしょうか。
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