君のいない国/百瀬朝子
 
星であふれる空
肉眼でみつめすぎた
つぶれた心は
唾液で癒して
ぬるくてあたたかい
それは探していた光

  手を伸ばせば届いた
  いまは幻にさえ触れられない
  漂う粒子は
  たくさんの光をさらった

もう一度触れたい
ここにあるものが
見えなくなる

ほったらかしのニンジンから
短い茎が生えてきた
にょきにょきしてる
食べてもいーい?

苦いよ、苦い
不安で抑えられない欲を
贅沢だと咎める

お話がしたい
主に過去のこと
そうして
明日を迎えたい

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