笑い話 / ****年不明/
小野 一縷
「ぼくが死んでも *はしっかりしていてよね」
「その時は責任をとるよ」
ぼくの涙声に
きみは言った
「愛って不思議だね」
「ああ」
ぼくは頷いた
きみと知り合って*年 この繋がりを
愛と呼ぶことに 何の迷いも 驚きも無かった
その時 「欲望無き愛」を ぼくは知った
独り
生理的な欲求不満と 相反するただ一つの愛を ないまぜにして
今日も誰かのことを 想ってみる
ぼくは まだ
愛を言葉にする術を知らない
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