マーチ / ****年不明/小野 一縷
が欲しい 守りたいから
行進 力強く進軍して来やがる 鼓動
もうゴミの分別なんて しなくていい
微分され尽くした光に
燃えないゴミなんて無い
煙が匂うか否か それだけだ
熱い陽差し
いたいけな空気の層が この街を臭くする
どうしてくれるんだ 顔の染み
どうやって守るんだ ローン残った一軒家
人混むショッピング・モールで鉄条網を20m買う
ロシアの漁民から星を抱いた銃を買う こんな平和な日々
退屈だから 弾頭をナイフで刻んで ホロー・ポイントをつけておく
一撃で隣人を殺れるように
でも ほら分裂症のキミ 人工衛星がキミを見張ってくれている
安心してカーテン開けて 眠りなよ
電子の波に揺らされていく 毎日
昨日までを続々と錆びさせる 赤黒い酸性の流れ
その速さ とめどなさ 胡散臭さが
この街を一層 臭くする
鼻をつまめば 息苦しい
ぼくらの 末期的な 心の症状
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