基地内沙汰/只野亜峰
 
日米軍基地の存在を否定する事は、軍事的なバランスを取る必要がある先進国の一翼としての義務の放棄に他ならないし、なにより主義主張を異にする諸外国の存在がある以上、同盟国である米国と軍事的な調整を行うことは日本が誇りある独立国家として存在する上で必要不可欠な事である。ましてや"戦争の放棄"を謳う憲法九条を掲げていくためにはなおさらの事だ。
 ケヴィン・メア氏に纏わる一連の報道は、在日米軍基地を取り巻く諸所の問題に取り残された敗戦国である劣等感を浮き彫りにしたように思う。しかしながら日本が独立国家としての体を保ち続け、戦後の焦土から信じられない速度で復興と経済的成長を果たし、世界から尊敬を集める先進国となった事もまた事実である。
 少なくとも現在を生きる日本人である我々に必要な事は、敗戦国でありながら欧米諸国と渡り合い、今日の日本を築いてきた先人達の行為を踏みにじる事では決して無い。誇りある敗戦国の一員として、今後の日米関係のあり方を見守りたいと思う。
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