基地外沙汰/salco
 
憶に新しい。基地外の私有地であるにもかかわらず、日本の司法権は
予め拒絶されたものとして諒解済の日本政府は、異を唱えもせず涼しい顔
だった。合衆国軍事法廷はイラクやアフガン以外でも幅を利かせているら
しい。
 かくして黒く焼け爛れた校舎の脇で私有財産の検分をするのは加害者と
しての米軍であり、国民生活の安全を図る筈の警官達は、黄色い「KEE
P OUT」の外で雁首を揃え、阿呆のように佇んでいた。
 そこに落ちたのがミサイルだろうと爆弾だろうと同じ事、世界に名だた
る珊瑚の群生地である辺野古沖への普天間基地移設期限が過ぎているにも
関わらず、飛行訓練は連日早朝から深夜まで繰り返され
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