【批評祭参加作品】文法に果敢に肉薄する文学/石川敬大
 
れば、作品の価値はないと考えた方がいいだろう。ともあれ、荒川のこんな言葉で締めくくろうと思う。


 真のいのちをもつ作品は、ときにコースをそれたり、ルールを超
 えてしまうが、それは、さほどおおきな問題ではない。文学は文
 法のためにあるのではないからだ。いっぽう、すぐれたところの
 ない作品は、少なくとも文法だけは守らなくてはならないことに
 なっている。文法を守っても忘れられ、消えていくのである。



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