宇宙は膨張している/わたしのなかの/あおば
110305
よろしくお願いいたします
それではこれで失礼いたします
あたまをぺこりと下げ
先輩の部屋をあとにする
訪問するときは
緊張でなにも目に入らなかったが
あたりを見渡すと
殺風景な裏庭にも小綬鶏が巣作りできる程の草むらがあり
野良猫が手ぐすねを引き
のんびり飛来する小綬鶏を捕まえようとしているようだ
むろん
よほどうぶな若鶏以外は猫の潜んでいるのが分かるから
猫の頭上を挑発的に飛来しては
線路の向こう側のほとんど荒れ地化した休耕田に向かう
小綬鶏のことはよく分からないが
挑発され続けている猫の中には隣家のマレビ
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