【批評祭参加作品】となりに、近くにいる人は簡単には理解しえない。 佐藤泰志『海炭市叙景』のこと/mizu K
 
美=とよざきゆみ}がリツイート、それが小学館の編集者・村井康司(むらいこうじ)に話がまわり、佐藤泰志、制作実行委のメンバー、村井康司らがおなじ中学出身という偶然も重なって運命をズッキュン感じた、かどうかはともかく、2010年10月に小学館文庫より無事出版のはこびとなった。このあたりの話はとても興味深い。
 11月からの映画の公開と前後して静かにひろまり、著者の没後20年を経て着実に版を重ねている、といったところである。

 この文章の記述時点で私(mizu K)は映画「海炭市叙景」を視聴していないので、これから書く内容は文庫本のそれに即する(原作と映画とでは若干内容が異なるようです)。
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