【批評祭参加作品】主観という自家薬籠中の物/石川敬大
 
、さすわ さされるわ そらええわ』(第14回2009年に授賞)を今回は論じてみたい。わたしはこの本を詩集とは書き記さない。どうしても抵抗感があるのも理由のひとつだが、この本のどこにも詩集であるとか、詩作品であるとかの言葉が書き記されていない(事実誤認なら指摘願えれば幸いです)せいである。
 この本を読了したいまでもわたしは、これが詩集なのか、なぜ小説ではないのか、それとも小説のつもりで書かれたのに、ユリイカに掲載されて青土社から刊行されているから詩集として、賞の対象作品集となってしまったのか、事情が分からずわけがわからないのである。
 と、ここまでは、否定的な言辞を弄した文章にしかみえないだろ
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