【批評祭参加作品】 現代ホラー映画50選(3)/古月
起きていない)」なのか「まぎれもない現実(すべてあったこと)」なのか、で解釈が大きく変わってしまう。そしてまた、第三の解釈として……と、これは言わずにおくが、とにかく周到に伏線や推理の材料が散りばめられており、何度観ても楽しめる。
ギレルモ・デル・トロの描き出す幻想の世界は非常に絢爛かつ精緻で退廃的、惚れ惚れするほど美しい。この圧倒的な美によって構築された悪夢的な世界を見るというだけでも、この映画を観る価値はある。(妖精国の描写は後の『ヘルボーイ ゴールデン・アーミー』にも通じる)
オフェリアの勇気ある冒険と胸の熱くなるクライマックスは、心の深いところにずーんと来る。
(4)につづく
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