【批評祭参加作品】書くということについて/kaz.
 
か絵とみるかの二択が許されている場合があるのと同様であると言っておけばよいだろう。

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この辺りから、詩とは何であるかという問いを、持ち出してもいいだろう。私たちがこうした問いを忘れてしまったのは、その問いが常に潜在的な不可能に結び付いていることを疑うからである。つまり存在問題同様、解き放つことのできないヴェールに覆われており、それに触れようとすることは凄まじい壁に直面することなのだと、どこかで気付いている。もっと極端なものは、問いそのものが破綻しているという主張である。こちらはあたかも答えないことが高尚であるかのような振りをして、思考停止する主体を秘匿しているに過ぎない。実を言えば、
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