【批評祭参加作品】書くということについて/kaz.
 
置付けることになる。ところが、貼付けられずにフワフワと漂っている文字や絵(Picture)は、そもそも空白のイマージュに載っていたものであり、それらを切り出す作業には、一旦はその支持面から解放してさしあげる側面があることを、多くの人が忘れている。つまり、引用やコラージュには、書く・描くことに単純に還元され得ない、二段階の過程があるのだ。

まず私たちは読む・見ることによって、引用・コラージュの対象を取り出す。読むことも見ることも、すべて探すことに相当する。何故探すのか? 引用・コラージュの『対象』であるそれらを切り抜き、解放し、一旦は自分のものとするためである。この瞬間、読むことから切り抜くこ
[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(3)