羨望/
三上あず
多くの
多くの望みを
かなぐり捨てた
手に入れたものは
あっけないほど
光り輝いた
この手からこぼれおちたものを
もう私は覚えていない
たった一つのものがほしかった
それだけだった
過去のそれは光り輝いて見えて
手の中にあるそれは
ひどく穏やかな光
それを「違う」と言って
投げ捨てられるほど
私はもう子供ではない
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